自閉スペクトラムの子の「考え方」にはどんな特徴がある?
自閉スペクトラムの特性がある子は、行動をパターン化しやすいところがあります。最初にいいパターンをつくっておくと、次からもそのパターンを踏襲するので、うまくいきやすいのですね。だから学校では、取り組みやすい活動を初日から用意しておいたほうがいいのです。
この話は、なんらかの行動を「やらせない」ときにも有効です。例えば、自動販売機を見かけて子どもにジュースを買い与えると、同じところを通るたびに「また買って」とせがまれることがあります。そのような行動を「やらせない」ためにも、最初が肝心です。
下記のマンガでは、親は「今日だけね」と約束したつもりでいますが、お子さんには、そんなつもりはなかったのかもしれません。むしろ「この自動販売機ではジュースを買ってもらえる」という行動パターンを学んだ可能性があります。
お子さんが「交渉の余地がある」と知ってしまったがゆえに、話がこじれたのだと考えられます。
お子さんに行動をパターン化しやすい特徴があるのなら、2コマ目の場面で親が「最初が肝心」と思って、ジュースを買い与えない判断をしたほうがよかったわけです。「この行動が毎回パターンになったとしてもOKだと思えるか」をよく考えたほうがいいのですね。例えば、ジュースはダメだけれど、水やお茶ならばOKであれば、最初から「水やお茶にしようね」と約束すればいいのです。
もちろん、子どもによっては「今日はダメ」という交渉が通じる場合もあります。しかし行動パターンにこだわる子の場合、「今日はダメ」「お金がない」と言い聞かせても、納得しないことがあります。ものごとに一貫性や継続性、法則性を求める子もいるのです。
もしもマンガのように「この自動販売機の前を通ると、子どもがジュースを欲しがる」というパターンができてしまった場合、交渉の仕方を工夫するよりも、「そこを通らないようにする」という対策をとったほうがいいかもしれません。