先生によって、注目しているポイントが違います
子どもがホワイトボード消しを勝手に使って、連絡事項を消してしまいそう。そんなときの「止め方」には、いろいろなやり方があります。例えば、
①「やめなさい」と言いながら止めにいく
②「消さないでね」と声をかける
③ 何も言わずに子どもを別の場所に移動する
マンガの1人目の先生は「消さないで」と声をかけましたが、効果はなく、残念ながら文字は消されてしまいました。2人目の先生は子どもの関心を引きつけてから、自然に隣の部屋に連れていきました。子どもがホワイトボードでいたずらすることは防げました。
2人目の先生は、なぜこんなにもさりげないやり方で、子どもを止めることができたのでしょうか。
1人目の先生のほうが子どもにしっかりと呼びかけ、「消さないで」と注意もしているのに、子どもは止まりませんでした。2つの対応の違いはどこにあるのでしょう?
私たちは、まだ言葉のわからない幼児がいたずらしそうなときには、叱ったりしないで、さっさと手を取ってほかの場所に連れていきます。言葉で言っても通じないからです。
でも、相手が小学生であれば、まずは「やめて」と声をかけます。
マンガの場面では、相手は年中のお子さんなので、手を取って止めるか、言葉で注意するか、判断に迷うところです。適切な対応は、お子さんの年齢や発達段階などによって微妙に変わってくるんですね。
1人目の先生は注意すれば通じると思って声をかけた。2人目の先生は、声をかけるよりもホワイトボードから関心をそらせるほうが確実だと考えた。先生によって注目しているポイントは違っていて、この場面では2人目の先生の対応が適切だったということです。