「うわ、これって刑事ドラマで見るやつじゃん」
病院から北に約1.5キロ離れた蕨郵便局の近くを通る国道17号線は交通規制がしかれ、物々しい雰囲気に。郵便局の近くに住む30代の男性も興奮を隠せなかった。
「子供を幼稚園に迎えに行く用事もあったので、立てこもりがあってすぐの午後2時30分ごろに家を出たんですけど、かなり緊迫した状況でしたね。まだ規制線も張られてなかったんだけど、警察官に『危ないからそっち(郵便局)のほうはダメ!』と制されました。
郵便局の前の道路にはパトカーが5台ほど停まっていて、警察官も20人近くはいたと思います。なかには、ヘルメットを被って盾を持ってパトカーの陰に隠れている機動隊っぽい人もいて、『うわ、これって刑事ドラマで見るやつじゃん』と驚きましたね」
現場周辺に住む70代の男性も不安な表情を見せた。
「あそこの郵便局はたしか3階建てで、いわゆる町の郵便局という感じではなく、この地域を統括するような大型の郵便局なんです。自分は1階までしか入ったことがありませんが、局員の方も20人くらいはいたと思うし、そのなかには若い女性もいた。人質がいると聞いて心配です」
人質の女性一人が解放されたものの、現在も埼玉県警、警視庁による必死の攻防が続いているが、籠城する男の自宅アパートの近隣住人は男の凶行に驚いていた。
「あそこのアパートは、私がお嫁に来る前から建っていたので、築50年以上は経っていると思います。単身者用のアパートで、住んでいる人は一人暮らしのお年寄りが多い感じですね。立てこもっている男とは、これまでスーパーに行った帰りに何度かすれ違いましたが、路上でタバコを吸ったりお酒を飲んだりするような人ではなく、ふつうのお年寄りって感じ。
テレビで80歳と言っていたように、ヨタヨタと歩いていたのが印象的で、こんな事件を起こすとは思えないようなお爺さんでした。平日のお昼に見かけることもあったので、たぶん仕事はしてなかったんじゃないですかね」
男は何処で拳銃を入手し、なぜ病院で発砲したのか。事件の早期解決が待たれる。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班