阪神・原口文仁は後輩だけど男としてかっこいい

――そうした中継を見ながら、いいプレーがあったら親交のある選手にLINEを送るそうですね。どのくらいの人数に送られるんですか。

そんなに多くなくて、本当に限られた人数だけですね。すっげえよかったシーンがあれば「あれはよかったね」とか。

最近だったら、ラオウ(オリックス・バファローズの杉本裕太郎)がこの間、味方がセンター前に打った際に2塁から一気にホームベースまで帰ってきたので「ラオウ、すげえ足速いんだね」って送ったら、「貴さん、俺でかいですけど意外と速いんですよ」って返ってきて(笑)。ただ毎試合、毎試合送っちゃうとうるせえなとなっちゃうから、気になったシーンのときに送ってますね。

朝から晩まで野球を見ている石橋貴明が後輩・阪神タイガースの原口文仁を心から「かっこいい」と思った瞬間_3

ほかにも阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝したときに、原口(文仁)が帝京高校の後輩なんで「おめでとう」と送ったんです。

彼は代打の切り札で、本当に終盤の勝負のときに出てくるから、前半はほとんどベンチに座ってるじゃないですか。だけど、あいつがちゃんと野球やってんなと思うのは、チェンジになると必ず、まず一番最初にベンチから出て、みんなにナイスプレーって声をかけて鼓舞している。

常に気持ちが試合に入っているし、そういう姿をたぶん野球の神様は見ている。
だから、「原口、絶対にここぞというときに、神様が見てくれているから、準備だけは怠らないようにがんばれっ」てLINEを送ったんです。そしたら「ありがとうございます」って返ってきました。

そういう姿って、後輩だけど男としてかっこいいじゃないですか。

僕も小学校のときにはプロ野球選手になりたかった。だけど、なれなかった。彼らはその野球を職業としてやっていて、しかも気持ちが入っている姿を見ると、本当にかっこいいなと思う。

プロ野球選手としてやれる期間は短いし、原口だってあと何年野球をやれるかわかんないけど、そういう姿をちゃんと後輩だとか、野球をやっている子どもたちに見せることは非常に大事なんです。

今年、侍ジャパンがWBCに優勝して、今の小学生があと10年とか経ったとき「あのときに大谷選手が優勝した姿を見て、野球をやり始めました」とか「もっとがんばろうと思いました」と振り返る。それこそが、野球がずっと長く続いていくことなんだなって思うんです。

なので、野球選手はかっこよくないといけない。みんなの憧れだからかっこよくないといけないと思っているんで。だから、いいプレーがあったときにはまたLINEするんです。