鯨肉の知られざる栄養の源とは?
鯨はその全身ほとんどを食べることができ、肉だけでなく内臓、皮、尾、骨まで全て捨てることなく、利用できる、まさに海からの幸。
お腹や背中の赤身をはじめ、特におすすめなのが鯨の尾の付け根にある「尾の身」。
1頭から取れる量はほんのわずかな希少部位で、脂がのっていて刺身で食べるのがおすすめとのこと。
下あごから摂取される鹿の子の状の肉は、しゃぶしゃぶにするとおいしいらしい。
鯨肉はおいしさに加えて、アミノ酸成分「バレニン」が含まれている。
鯨はほぼ絶食状態で数千キロを回遊するが、そのパワーの源がバレニンと考えられており、最近の実験や研究により抗疲労効果や認知機能の改善、免疫力アップなどの効果に期待できることがわかってきている。
また、食品以外でもクジラオイルやクジラの軟骨から摘出したプロテオグリカンなどを配合した洗顔石けんや美容液などの商品を同社で開発しており、鯨肉の付加価値向上に向けて取り組んでいるそうだ。
そんな中8月にオープンした月島にあるくじらストアは「くじらストア本店」となっている。
「立地が豊洲市場に近く当社にも近いことから、本店としています。捕鯨の認知拡大など目的とした情報発信店舗として位置づけています」
ということでさっそく、久保さんに同行いただき「くじらストア本店」へ。
店舗の中には、冷凍自販機で刺身用の尾の身や赤身、本皮、ベーコンといった冷凍商品を、常温自販機では缶詰や鯨肉が入ったレトルトカレーなの商品を販売している。
驚いたのが内装だ。天井は漁に出たときのような雲が浮かぶ青空、床は船の甲板のような木の床張り、そして鯨漁の写真が大きく飾られていて、お店に入ると船に乗っているような感覚が味わえる演出になっている。
いくつかある商品の中から、久保さんにすすめてもらった「尾の身」2000円(税込)※と鯨ベーコン1000円(税込)を購入した。〈※この日はオープン記念価格で2000円だが、通常は3000円(税込)〉
自販機からは、商品が保冷剤付きのパックで出てきた。店舗には保冷バッグがあるので、買い物ついでに寄っても安心だ。記者もこの保冷バッグを利用して持ち帰ることに。
「ここを起点に、鯨に関するさまざまな情報発信をしていきたいと思っています。今後は自社ブランド『くじらの王様』の商品ラインナップを充実させ、その売上の一部を鯨の生息環境の保護に取り組む慈善団体に寄付する取り組みを開始する計画です。」