東大卒業後は何になる・・・
自分のことをネガティブだと語るえーすけさんだが、ホストを始めたことで心身ともに自信をつけることができたという。東大卒業後は大学院に進む予定だそうで、これからも学業とホストを両立させていきながら、「今後はなりたい自分を見つけるために頑張っていきたい」と将来の展望を話す。
「ホストを始めたことによって、生まれて初めて『本当になりたい自分を見つけたいな』と思うことができましたね。これまでは東大に入ることがゴールになっていたので、このようなことを考えることはほとんどありませんでした。
ですが、ホストという仕事を通じて視野が広がり、いろんな価値観を身につけることができ、なりたい自分を探そうと思えるようになりました。まずは、自分のなりたいものを見つけ、それに向かってできることをしていきたいですね」
東大には3年留年を繰り返したら「放校」という、強制的に退学をさせられる制度がある。実際に退学になってしまい、入学履歴が取り消される学生も少なからずいるのだとか。東大に合格することをゴールにしてしまい、達成後は何もやる気が起きず燃え尽きてしまうということが主な原因だそうだ。
もしえーすけさんがホストを始めなければ、目標が見つからないまま燃え尽き症候群になっていたかもしれないし、就活に追われてこれまで以上に自分を追い込んでいたかもしれない。えーすけさんにとってホストクラブは、勉強以外の大切な学びを与えてくれる場所だったのかもしれない。
「就活への不安はまだ残っていますが、将来的な到達点を考えるならば就職を急ぐ必要もないのかなと思っています。たとえ会社に入ったとしてもずっと会社員を続けるのも嫌なので。そのために、今は自分の人生を考えている真っ最中ですね。とにかく、今後も勉強とホストを頑張っていきます!」
ホストという仕事を通して、本当の意味で自分自身の道を歩み始めたえーすけさん。周囲と異なる道を進む不安を抱えつつも、今後もホストの仕事に真剣に取り組み、成長していくことだろう。
東大生としてもホストとしても、今後のえーすけさんの活躍から目が離せない。
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取材・文/越前与