いじめが発覚したら加害生徒の口から語らせる
――どの学校でもいじめが起きる可能性があるかと思いますが、北星余市でいじめが発覚した場合、本間先生はどのように生徒と向き合いますか?
いじめに関しては、過去に傷ついてる経験をした生徒が多いからなのか、うちの子らはすごく敏感で。
どうしてもいじめは起こり得るんですけど、ありがたいことに誰かがこっちにすぐ報告してくれる。
――すると先生方の対処も早くなりますね。本間先生はどのように対処するんですか?
下宿内での暴力やパシリ行為が報告されて、「これは事実だな」となったら、まずは加害者の子を呼ぶ。それで「心当たりをしゃべれ」と言うんです。「〇〇したよな?」みたいに、こっちからは聞かない。
これはいじめだけじゃないけど、生徒ってこっちから聞くと、聞かれたことだけは認めて、バレてへんことは隠しとくってスタンスになるんです。
――あくまでも本人の口から語らせる。
ただ、そんときに加害者側の生徒が自分自身と向き合う姿勢がないとしゃべらない。でも向き合ってくれたら「〇〇くんに対してこんなことをやりました」「申し訳ない」とボロボロと泣きながら話す。
――どのように向き合わせるんですか?
「被害者の子も『北星余市でならなんとかやり直せるかな』と思ってここに来たのに、ここでいじめられたら『やっぱりあかんか……』となる。そうなったらいつ『次がんばろう』って気持ちになるの? そういうことをお前はしたんや」というような話をすると、多くの生徒が向き合ってくれますよ。
やっぱり自分もやり直そうと思ってここに来た子たちなんでね。
――みんな心根は優しいんですね。スクールカーストのようなものはあるんですか?
そういうのはあんまりないです。1年生のときはやっぱり虚勢を張る子は張るけど、対等な人間関係をつくらなきゃいけないんだって姿勢を担任が示していくとなくなりますよ。
それは余市の生徒の特性やと思います。いや、ほんとはどこもそうじゃないとダメですよね。