エントランスで女性が怯えていた
逮捕容疑は今年7月、排せつ物が溜まった不衛生な環境で猫8匹を飼育し、虐待したというもの。マンション住民から「異臭がする」と通報があり、同署が捜査していた。辛うじて生存していた8匹含め、生きていた28匹はすべて、市の動物愛護センターが保護したという。調べに対し唐沢容疑者は容疑事実を認めているものの、「なぜこういう状態になったのかわからない」などと供述しているという。
現場はJR溝の口駅から徒歩約10分の高台に位置し、周辺には築浅の瀟洒な一戸建が多く立ち並ぶ閑静なエリアだ。唐沢容疑者の暮らしていたマンションは単身者向けの分譲賃貸マンション。7月に通報した住民男性に話を聞くことができた。
「夜7時ごろコンビニに行こうと玄関から廊下に出ると、マンションのエントランスで住人の女性が立ちすくんでいるのが見えました。何かにおびえて困っている様子で、どうしたのかと思ったら10匹近くのネコが共用部分の廊下や階段にいたんです。しかもみんなガリガリにやせ細って毛がボロボロの状態でした。飼い主はいない様子で、最初は何かホラー的な感覚を覚えました」
その光景はあまりにも現実離れしていて、怪談に出てくる呪われた猫屋敷のようだったという。
「一階に降りてみるとエントランス付近にもボロボロのネコたちがいました。総勢何匹かわからないぐらい、いたるところに数匹ずついる感じで……。立ち往生している女性のためにネコたちをオートロックの自動ドアから離れるよう誘導しました」