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世界と比べて日本はどれくらいワクチンを接種したのか

まず、日本がどれくらいワクチンを打っているのか、これは他国と比較しないと多いのか少ないのかわかりませんので、世界における日本の位置づけを確認します。2022年末の時点において、ワクチンを少なくとも1回接種した人の割合を、多い順に並べたグラフを見てみましょう。データのある国は230か国ありますが、そのうち上位49か国を抽出します(図1)。

世界と比べても「ワクチン接種」しまくった日本人…それでも2022年からコロナが急増しているのはなぜなのか_1
図1 ワクチンを少なくとも1回接種した人の割合(上位49か国)。『全検証 コロナ政策』より
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日本はデータのある230か国中42位の84.35%で、かなり上の方です。なお、最上位の方は100%を超えていますが、これは住民以外の人にもワクチンを打っているためです。

このグラフはイギリスのオックスフォード大学が公表している「Our World in Data」のデータを使ったものですが、首相官邸のサイトを見ると、1回以上接種者の割合は81.0%となっており、数字にズレがあります。ズレの理由は分かりません。

次に、同じく「Our World in Data」から、「people_fully_vaccinated_per_hundred」のデータを確認します。この数字は、2回接種を完了した人の割合を指すものと思われます(図2)。

83.22%と、少しだけ数字が下がりましたが、順位は上がり、データのある230か国中30位です。首相官邸のサイトでは80.1%となっています。

世界と比べても「ワクチン接種」しまくった日本人…それでも2022年からコロナが急増しているのはなぜなのか_2
図2 ワクチンの2回接種を完了した人の割合(上位49か国)。『全検証 コロナ政策』より

高齢者の方ほど積極的にワクチンを打っている

「ブースター接種」と呼ばれている3回目接種以降の接種者割合については、「Our World in Data」にありません。

首相官邸のサイトを見ると、日本の3回接種完了者の割合は68.7%となっています。4回接種以降の完了者の割合は首相官邸のサイトにも掲載されていません。なお、オミクロン株対応ワクチンの接種率は掲載されていて、45.0%となっており、回を重ねるに連れて接種率が落ちていることが分かります。

首相官邸のサイトにおいて、65歳以上の高齢者に絞ると、1回以上接種者92.7%、2回接種完了者92.5%、3回接種完了者91.3%、オミクロン株対応ワクチン74.5%となっています。高齢者の方ほど積極的にワクチンを打っていることが分かります。

先述のとおり、「Our World in Data」には、3回目以降の接種者割合は無いのですが、「100人あたりの追加接種回数」のデータはあります。このデータは、3回目以降のワクチン接種回数を総人口で割り、100を乗じた数字です。例えば、国民全員に3回目及び4回目の追加接種をした場合、200となります。

それでは2022年末の時点の100人あたり追加接種回数のデータを見てみましょう。トップ50を抽出します(図3)。

世界と比べても「ワクチン接種」しまくった日本人…それでも2022年からコロナが急増しているのはなぜなのか_3
図3 100人あたりの追加接種の回数(上位50か国)。『全検証 コロナ政策』より