「合理のカタマリ」としてのハードコア弁当

「最初は僕もみなさんと同じように、自分の弁当だけどおかずを2品3品、栄養バランスを考えて野菜も入れていたんですよ。でもそれがだんだんと面倒になってきて、野菜を外しておかずも単純にしてと、1年ぐらいかけて手間を減らしていきました」

ホイップ坊やさんは、ハードコア弁当誕生の経緯をそう語る。

そして2017年1月、お正月にもかかわらずバイトをしていたホイップ坊やさんは、「今日の僕のハードコア弁当」と称して、初めてその写真をツイッターにアップした。

実はこれがいちばんウマい! ご飯一合におかず一品のハードコア弁当の勧め_1
白米の上にアジフライひとつの「デビュー作品」

「ハードコア」と名付けたのは、「見た目が原始的で野性的だから」。見た人からは「すごい!」「美味しそう」「これでいいじゃん」という好意的な反応がほとんどだったという。

「思いのほかウケたのは、そのころからキャラ弁とかデコ弁とか流行っていて、みんな実はお弁当作りに疲れていたからだと思います」

「ただこの勘違いは今もあるんですが、僕は自虐でハードコア弁当を作っていません。たしかにカネがなくてお弁当を作り始めたんですが、ハードコア弁当は自分にとって不要なものを順番にそぎ落としていった、『合理のカタマリ』なんです」

ああ、誇り高きハードコア弁当!