オリックスには宮城大弥もいる

3歳上のNPB最強投手を最大限リスペクトしながら、決して負ける気もない――。

先輩・後輩という意味では最高の関係性にあると感じた一言だった。優勝決定時点で宮城の成績は10勝(パ・リーグ2位タイ)、防御率2.35(同4位)、118奪三振(同7位)、勝率.714(規定の13勝に満たず)。山本はこのすべてでリーグ1位に立っている。

このままいけば、今年も「由伸さんからタイトルを奪いたい」という思いは成し遂げられないかもしれない。ただ、たとえタイトルが獲れなくても、得られるものはあるはずだ。

9月20日。オリックスバファローズ3連覇の瞬間、宮城は体調不良で登録を抹消され、胴上げやビールかけに立ち会うことができなかった。

オリックスの本拠地・京セラドーム
オリックスの本拠地・京セラドーム


それでも、まだチャンスはある。シーズン残り試合はもちろん、その先のクライマックスシリーズ、日本シリーズ制覇には宮城の力が不可欠だ。

現時点でオリックスの“エース”は間違いなく山本だ。だが、オリックスには宮城大弥もいる――。

ファンがそれを改めて実感するような投球を、ここから先も見せ続けてほしい。

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取材・文/花田雪