VS イチロー裏話「対決は楽しみだったけど」

――多くのマスコミが集まる試合で5回から登板。1イニングを投げ抜きましたが、なんと先ほどまつりのさんが言ったように、イチローさんとの直接対戦もありました。結果はセカンドゴロ。あの場面を振り返って。

実は……対戦が終わるまで相手がイチローさんだって気づかなかったんですよ!
イチローさんとの対戦はすごく楽しみだったんですけど、チームメイトは各校の有名選手が集まったオールスターみたいなチームで、そこで一緒に野球できることがめちゃくちゃうれしくて。
すごくバックを意識してましたから、バッターがイチローさんのときも「やたら粘る人がいるな~」くらいにしか思ってなかったんです(笑)。

TikTokフォロワー110数万人の野球女子が明かす、憧れのイチローとの対戦秘話「よく粘る人がいるなーと思ったら…」_6

――イチローさんも打席で認識されなかったのは初めてでしょうね(笑)。

試合後の囲み取材で記者の方から「イチローさんはどうでしたか?」って聞かれて初めて対戦したことを知りました。
でもそんなこと言えないじゃないですか。だから「やっぱオーラがあって違いました」とかそんな感じのことを言ってかわした気がします(笑)。

――(笑)。そうして締めくくった女子高校野球生活。振り返ってみていかがでしょうか?

練習はめっちゃキツかったですけど、今でも戻りたいってくらい最高の3年間でした。

女子高校野球は男子と違って地方予選はなく、2年前は最初から丹波市(京都府)で行われる本選を戦うんですけど、毎回、試合に向かうバスの中で「このチームで戦うのはこれで最後かもしれない」と思いながら泣いてました。
それくらい、かけがえのないチームメイトでした。まぁ、隣の席の子は爆睡してましたけどね(笑)。

――試合前から負けることを考えるなって話ですね(笑)。後編ではまつりのさんが野球を始めたきっかけと、高校卒業後の野球人生についておうかがいします。

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後編はこちら

取材・文/武松佑季
集英社オンライン編集部ニュース班
撮影/神田豊秀