「小学生のころの黒歴史」「今思うとダサすぎる」の声には…
――その後、歴代でドラゴンシリーズは何種類ほど生み出されたのですか?
家庭科のカタログとして、裁縫セットのほかにも、エプロンや書道セット、ナップザックや彫刻刀ケースなども展開していて、基本的に1年ごとに新しいデザインを提案しています。だから採用されなかった“ボツドラゴン”も合わせると、トータルで50種類以上はデザインしました。
「INFERNO DRAGON(インフェルノドラゴン)」「SOUL OF SALAMANDER(ソウルオブサラマンダー)」「DRAGON OF DARKNESS(ドラゴンオブダークネス)」「HELLFIRE DRAGON(ヘルファイヤードラゴン)」など、とにかくかっこいいドラゴンを目指してデザインしてきました。
――全部で50種類以上?!
だから弊社のデザイナーは、絶対にドラゴンのデザインからは逃げられません。新人研修として、とりあえず「かわいいキャラクター」と「ドラゴン」の両方を描かなきゃいけないんです。
私もいろいろなドラゴンシリーズに携わりましたが、いまだにTwitter(現X)で「昔このドラゴンの裁縫箱使ってたわ~」や「今でも実家のタンスの奥に眠ってます」といったカキコミを見つけると、「やっぱりこの会社で働いていてよかったな~」とうれしくなりますね。
――そんなSNSのカキコミのなかには、「小学生のころの黒歴史」「中二病すぎて痛々しい」「今思うとダサすぎる」といったコメントもありますが……?
そもそもメインターゲットは「小学生の男の子」なので、大人になるとダサく見えてしまうのはしかたないとも思いますね。
ですが、そうやってネタにしてくださる時点で、その方の心には少なからず残っているということでしょうし、こうしてみなさまの共通認識としてあるのは光栄なことです。これが、ただの水玉模様やボーダー柄だったら話題にも上がらないわけですし。
――ドラゴンシリーズはゲームに出てきそうな西洋風の龍のデザイン。何かを参考にしているのですか?
基本的には、ドラゴンが登場する作品すべてからインスピレーションを受けていますし、他社さまから出たドラゴンものも、くまなくチェックしています。
ただし弊社は、あくまでも“小学生がかっこいいと思うドラゴンを描くこと”にこだわりがあるので、リアルすぎないように注意を払ってます。
あと、これはすべてではないんですけど、目が赤く光っている方が人気が出やすいという統計もあるので、そこも意識しています。