認知機能を支える前頭前野、言葉に関係する領域などに悪影響が…
次に、追跡調査の結果[図2-14]を見てみましょう。
3年後に同じ計測を行なった結果、インターネットをたくさん使っていた子どもたちほど、3年間の言語能力の発達が小さく、幅広い範囲における脳の発達にも悪影響が見られました。
黒い部分が、発達に悪影響が見られた脳の領域を表しています。幅広い範囲に色が塗られていることがわかります。
この写真は、脳の神経細胞の本体が集まっている灰白質の発達を表しています。神経線維が張り巡らされている白質についても、幅広い領域で発達への悪影響が見られました。
これまで、同様の研究をテレビやゲームでも行なってきましたが、ここまで脳の広範囲における発達に悪影響が見られたのは初めてのことでした。
発達に悪影響が見られた脳領域には、認知機能を支える前頭前野、記憶や学習に関わる海馬のほか、言葉に関係する領域、感情や報酬を処理する領域などが含まれています。どれも私たちが生きる上で必要となる大切な機能です。