日本との防衛交流と防衛協力
現場での交流としては、2018年8月には、練習艦「かしま」と護衛艦「まきなみ」が、ヘルシンキ港カタヤノッカ埠頭に寄港した。
海上自衛隊練習艦隊による遠洋練習航海の一環であり、同港に立ち寄るのは5年ぶりであった。イギリスのポーツマスへの寄港までの間に、フィンランド海軍との間で、親善訓練(PASSEX)が実施された。
加えて、マンネルヘイム元帥の墓への献花を通じて、フィンランドの英雄に敬意が表された。
ヘルシンキのヒエタニエミ無名戦士墓地の奥に、マンネルヘイムは眠っている。そして彼を取り囲むように、祖国のために一命を捧げたかつての部下たちの墓石が並んでいる。

ヘルシンキ市中心部のエスプラナーデ公園では、練習艦隊音楽隊による演奏が披露され、フィンランドの一般市民との交流が図られた。太鼓や空手といった日本文化も紹介された。
三等海尉に任官して間もない初級幹部にとっては、慣海性を涵養する世界一周の船路の合間で、国際交流を図る貴重なタイミングとなっただろう。
相互理解を図る防衛交流に加えて、より実質的な意味合いを持つ防衛協力の進展も図られている。フィンランドは汎用品・汎用技術の分野で強みを有しており、防衛装備についての協力は自然な流れといえよう。