「全裸監督」も常連客だった
「珈琲西武本店」は東京オリンピックが開催された1964年に創業し、その歴史は半世紀を超える59年を誇る。
新宿三丁目にあるこの老舗喫茶の店舗責任者は、開店当時のことをこう振り返る。
「1964年当時は喫茶店ブームで近隣にも大箱店舗が数店舗ありました。
昭和の時代、平日は近隣のビジネスマンやデパート勤務のかたなどで賑わい、週末は新宿御苑や厚生年金会館で催されるイベント帰りのお客さまで席が埋まっていました」
当時、足しげく珈琲西武本店に通っていた客のひとりに、“アダルトビデオの帝王”と呼ばれる前夜の村西とおる氏もいた。村西氏は言う。
「(珈琲)西武の近くに東京本社のあった百科事典販売会社『グロリア』で、全30巻20万円の高額百科事典セットを営業マンとして売り歩いていたころ、よく通っていました。
目的はまさにナイスなウエイトレス嬢目当て。当時、西武は『美人喫茶』と呼ばれるほどウエイトレス嬢に美人が多かったんですよ。
内装も高級感溢れる“都会のオアシス”といった趣でした」