我が青春期と家族形成期に激しくお世話になったのがファミレス

ここからはちょっと蘊蓄。
1970年代前半に相次いでオープンした「スカイラーク」(のちの「すかいらーく」)、「ロイヤルホスト」、「デニーズ」(アメリカのレストランのライセンシー)が日本のファミレスカルチャーを作った3大チェーン。
そのうち、1970年にいち早くオープンしたスカイラークは、当初「コーヒーショップ・スカイラーク」という名称だった。

コーヒーショップというのは、アメリカではコーヒーと軽食を提供する、どちらかというとビジネスパーソン向きのチェーン系レストランの総称である。
のちにスカイラークは、ターゲットとする本来の客層に合わせて和製英語の“ファミリーレストラン”に冠を改め、それが徐々にカジュアル系レストラン全体を表す呼び名になっていった。

1970年代半ば当時、団塊世代が家庭を作り、これまでの日本の伝統とは違う核家族が増え“ニューファミリー”と呼ばれるようになっていた。
そんな若い家族をメイン客層と見込んだレストランだったので、ファミリーレストラン=ファミレスとは、まさに相応しい呼び名だったのだ。

その後、首都圏や地方都市に特色あるファミレスが続々とオープンするが、業界最大手のすかいらーくが1980年にオープンさせた「ジョナサン」と、1992年にオープンさせた「ガスト」が特筆に値する。

特にバブル崩壊期に実験店として始まった、低価格路線のガストは大成功を収め、本家のすかいらーくを食うような形で全国に拡大していった。

家族それぞれに好きなものを食べられるのがファミレスの魅力。photo AC
家族それぞれに好きなものを食べられるのがファミレスの魅力。photo AC

そんなファミレスだが、特に今世紀に入ってからはっきりと衰退に向かったのは、消費者の嗜好やトレンド、行動様式の変化、競合の増加、コスト高など複合的な要因によるもので、簡単に断言できるわけではないようだ。

それはわかっちゃいるのだが、僕はここで門外漢の無責任さから、我が青春のファミレスが復活できるような施作を考えてみたいと思う。