寿司が世界に広まった4つの要因

このほか、世界各地の寿司は個性豊かです。UAEのドバイでは、「ハムール」という独自の魚が寿司ネタになっています。魚とシャリとを合わせたフレンチの前菜があったり、タイの屋台では甘く味付けされたカラフルな寿司が常温で並んでいたりします。このような例は、まだまだあります。

ベッカム、レディー・ガガ、オバマ元大統領…世界中のセレブが虜になる日本の“寿司” が世界に広まった4つの理由_4
ドバイ空港にある和食レストラン

それらを寿司というのかは一旦さておき、なぜ寿司は世界中に広まったのでしょうか。

それを分析した資料がキッコーマン国際食文化研究センターにあります。2011年に行われた「企画展示地球五大陸をおいしさと健康でむすぶスシロード。」によれば、寿司が世界に広まった要因は、次のようにまとめられています。

ベッカム、レディー・ガガ、オバマ元大統領…世界中のセレブが虜になる日本の“寿司” が世界に広まった4つの理由_5

①健康にいいから
世界的な健康意識の高まりの中で、長寿大国日本の食が注目されるようになりました。その中で、寿司もヘルシーで健康にいい食べ物と捉えられるようになりました。

②世界中で寿司の食材調達が容易だから
例えば、ベルギーのブリュッセルにある「竹寿司」では、オランダ製の醤油、イギリス製の酢、中国製の海苔、地中海産の寿司ネタが使われています。寿司に必要な食材は、日本に限らず世界中で調達できる状況になっています。

③安価で美味しい寿司米が世界に広まったから
海外の寿司ブームはアメリカから起きました。そこには、安価で美味しいカリフォルニア米があったことも影響しています。同じように、イタリアでは「あきたこまち」、スペインではあきたこまちをベースに開発された「みのり」という米が作られ、寿司に使われています。

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世界中で導入され始めているシャリ自動製造機

④回転寿司と寿司ロボットの影響
手軽に食べられる回転寿司と、誰でも作れる寿司ロボットが発明されたことで、職人がいなくてもどこでも寿司が作れ、低価格で寿司が食べられるようになりました。回転寿司は、自分の好きなものを目で見て選べるため分かりやすく、好きなネタを好きなだけ食べられます。日本料理の知識がなくても手を出しやすく、寿司の世界的伝播に大いに貢献しています。