なんとかして「毎日やる」には、二つしか方法がない

言わずもがなですが、勉強は「毎日やる」ことが大切です。

逆に言うと、「毎日やれない」ということが挫折するポイントでもあります。
「毎日やれない」という課題を解決する方法は、次の二つしかありません。

まず一つ目は先ほど紹介したように、ハードルを思いっきり下げて、習慣化してしまうこと。

そして、もう一つは、誰かに毎日ガミガミと叱ってもらったりひたすら励ましてもらうことです。

ただ「誰かに言ってもらう」というのは相手が必要になります。コーチングサービスを使うとしても、毎日毎日ずっとつきあってもらうなんて不可能です。仮にできたとしても、永遠につきあってもらうことはできません。

そして、高校生や大学生の試験勉強ならいざ知らず、自分自身で目標を定めて、淡々と行う社会人の勉強では、たいていは、ひとりで進めて行くことが基本にもなります。

だから現実的には「習慣化する」ということが、継続の鍵となります。

きちんと手順をふめば、「習慣化」は一人でもできます。それに汎用性があるから、どんな内容を学ぶときにも応用できる。

結局、仕事も勉強も、淡々とやれる人が強いものです。毎日SNS で格好いいことを言って「俺らが世界を変えるぞ」みたいな人よりも、地味だけど、淡々と事業を続けている人の方が、3年後、5年後に生き残っていることが多いのです。

誰かに依存しなくてもできる、「勉強の戦略」を、皆さんには身につけてもらいたいのです。

「努力」はしんどいものです。だから続かない。逆に言えばしんどくなければ続きます。
冒頭ではみがきを例に出しました。多くの人にとって、はみがきは習慣であり、「しんどい努力」ではないはず。だから継続できるのです。

東大に受かる人の驚くほど普通な才能は「当たり前のことを当たり前にやれる」こと。歯磨きレベルに勉強の習慣を落とし込むテクニックとは_4

「がんばってるね」と言ってもらえることの麻薬性

他人の目を使って勉強をするために、最近では、勉強の様子をSNS で発信し、勉強アカウント同士でつながって、切磋琢磨するという人も少なくありません。

もちろん、勉強仲間とつながったり、勉強の目標を宣言することには、大きな意味があります。しかしながら、SNSとの付き合い方には、少し注意も必要です。

SNS を使うと、簡単に承認欲求が満たされてしまいます。「英語がんばってます!」と発信して、それに「いいね!」がたくさんつく。

すると、勉強して成果を出さなくても、承認欲求が満たされてしまうわけです。

私たちが勉強をするのは、目標を最短距離で達成するためです。「目標を達成する」という成果が重要なわけで、「毎日勉強をする」というのはその手段でしかありませんよね。

私たちに必要な承認とは、毎日コツコツ勉強していった先で、それなりの結果が出てからで構わないのです。

承認欲求の誘惑に流されて、いつのまにか「がんばる」のではなく「がんばってるねと言ってもらう」ことが目的化してしまうと、大変危ない状態です。

そうなってしまうから、ダメと言いたいわけではありません。そもそも人間とはそういうものです。

「承認を得ると気持ちいい」。そういう感情には、なかなか抵抗できなくて当然です。

それを自覚しておくことは重要です。「自分は人間だから、承認されるとうれしくなっちゃうよね」と。

その上で、自分は「本当はどうやって承認を得るべきなのか」をきちんと考えておきましょう。