富士山近くで行われる「ブッダ直伝瞑想」とは?

──心霊スポットを訪れる以外にも、角さんはこれまで幽体離脱や魔女修行など、ご自身で体験することで、その事象を伝えています。最近はどこかに行かれましたか?

最近だと、5月に富士山の近くで「ブッダ直伝瞑想」の修行に参加してきました。

もともとタイやミャンマーで短期出家をされたり、アマゾン北西部の伝統的な薬用植物「アヤワスカ」を体験したりするなど、サイケデリクスへの造詣も深い相模女子大学の石川勇一教授の書籍を読んだら、それがとても面白くって。その石川先生が最終的に辿り着いたのが、ブッダ直伝瞑想だそうなんです。それにとても興味を持って、今回私も参加してきました。

──それはどういった修行なのでしょうか?

ブッダ直伝瞑想は、特定の対象に意識を一点集中させる「サマタ瞑想」と、自分自身を見つめる「ヴィッパーサナー瞑想」という2つの瞑想を組み合わせて、呼吸を意識しながら、自分の中にあるいろいろな欲を手放していく、というものです。欲をすべて手放したら、真理に近づいて悟りを開ける、と。

修行自体はかなりハードで、基本的には起きて、瞑想して、寝て、の繰り返し。今回は私含めて8人程度参加していたのですが、修行中はひと言も会話をしてはいけません。

──参加されてみていかがでしたか?

当然5日間だけでは達成できないんですが、少しだけ、その境地に触れられた感覚はありました。

実はそれまで、「欲をすべて手放してしまったら、自分を形成する根源的なものがなくなってしまう」と思っていたんです。欲を捨てることは、何かを願ったり、目標のために努力したりすることをすべて否定することですし、「そんな瞑想をやっても私は満足しない!」とずっと思い込んでいました。

でも、そうではなかった。表現が正しいかはわからないのですが、今まで横で考えていたものを、縦に考えられるようになった、というか……。これまで絡まっていた知恵の輪が解けたような感覚。それに気づいた瞬間、身体中がゾワっとするような、とにかく体験したことがない快感を得られました。

「こっくりさんで少年の幽霊から性的なものを要求されて…」オカルト編集者・角由紀子が都内最恐心霊スポットで体験した衝撃エピソード_4
すべての画像を見る

──ブッダ直伝瞑想を体験したあと、実生活にも影響がありましたか?

それこそ最近では陰謀論だったり、SDGsやLGBT関連の運動だったり、今ってすごく情報に左右される時代ですよね。日常生活では「求めている情報に能動的にアクセスする」ことがほとんどですし、特にオカルト関連の情報を発信していると、意図的に因果関係やストーリーを作りたくなるときがある。

そういう意味では、ブッダ直伝瞑想を経たことで、すごくフラットに、落ち着いて情報と向き合えるようになったなと実感しています。冷静でいられるようになった分、発言自体はつまらなくなっちゃったかもしれませんが(笑)。

#2へつづく

#2 膣ヒアルロン酸の注入、手相タトゥー、マイクロチップの埋め込み…オカルト編集者・角由紀子が「身体改造」にのめり込む理由

取材・文/毛内達大 撮影/山田秀隆