驚異のスタミナで積み上げた三振数 斎藤佑樹(早稲田実)
令和になっても盛り上がりを見せる夏の甲子園。今大会、開幕試合で始球式を務めたのは「平成甲子園」のレジェンド、2006年夏、第88回大会を制した早稲田実(西東京)の斎藤佑樹(元・日本ハム)だった。この大会で夏3連覇を目指していた駒大苫小牧、田中将大(現・楽天)との決勝再試合の伝説から、もう16年もの月日が経ったことに驚かされる。
この年は決勝戦が延長引き分け再試合だった結果、通常、6試合勝てば優勝できる夏の甲子園において、斎藤は7試合に登板。大会通算投球回数「69」、大会通算投球数「948」といった数々の歴代1位を記録することになった。球数制限や延長タイブレーク制が導入された今、もはや破られることはないだろう数字と言える。
また、平成甲子園、という括りでいえば、斎藤はこの大会でもうひとつの“歴代1位”を記録している。それが「大会三振数」だ。打者の手前でググッと伸びるキレのあるストレートと、投げるたびに力強さをます驚異的なスタミナを武器に、毎試合、安定して三振を記録。7試合で奪った三振数「78」は、平成時代では歴代1位。大会史全体を振り返っても1958年、第40回大会で徳島商・板東英二(元・中日)が記録した「83」に次ぐ、歴代2位となった。