大河出演で親孝行が叶った
――今回の写真集でいろいろな経験をしたと思うんですが、俳優としては大河ドラマ出演も発表されましたね。最初に聞いていかがでしたか?
すぐに父の顔が浮かびました。父は「大河ドラマに出て欲しい」って言い続けていたので、いったん恩返しできたんじゃないかって。父は全国放送されるものしか興味がないので、ちょっとやそっとのことじゃ全然喜んでくれないんですよ。でも大河ドラマに出演するって言ったらすっごい喜んでくれて。
――他の作品でも喜んでいると思いますよ。
多分、心の中では喜んでいるとは思うんですけど、全然「おめでとう」とか、言ってくれないんです(笑)。以前、ドラマで母の思い出の海でロケをしたのですが、そこに呼んだこともあって。今回、大河が決まったことで両親ともに親孝行できたかなって思います。
自分の親もそうですけど、ファンの方々もみんなが「おめでとう」って言ってくれて。朝ドラや大河って、みんなが憧れる場所なんだなとあらためて実感しました。自分の夢がひとつ叶ったなという気持ちです。
――すでに撮影はされていると思いますが、現場はどうですか? 特に今作で演じるのは本多忠勝(通称、平八郎)の娘・稲。忠勝役の山田裕貴さんとは、朝ドラ以来の共演と話題になっていました。
前回は義理のお兄ちゃんで同じシーンは少なかったんですけど、今回はがっつり親子役でやらせてもらって良かったです。でももう忠勝として出来上がっているので、忠勝、平八郎って印象が強くてシンプルにお父さん!って感じですね。
――ストーリーも後半に差しかかっています。
今まで1年以上かけて忠勝を作り上げてきて、その貫禄がすごかったです。稲はその背中をみて育ったんだということが観ている方にも伝わるように、芝居で出さないといけないなって、気持ちが引き締まりました。
――世界観がすでに完成されているて、そこに途中から入るわけですからね。
たくさんの大河ファンの方が観ているので見定められてる部分もあるし、実際に起きたことなので史実を勉強してプラス自分が演じる意味、オリジナリティを出せたらいいなと。
とにかく一番大事にしているのは、平八郎の背中を見て育ったんだって、その上での人となりをだす。稲姫としてはそれを重視して役作りしました。特に稲は、小松姫になって真田信幸に嫁いでからが有名なので、どんな幼少期だったのか逆算的に考えて、稲を演じようと思いました。
――最後に朝ドラや大河など、誰もが知る作品へ出演して、自身の変化はありましたか?
まだ撮影中なので分からないですけど、改めて思ったことは、人に希望を与えられるような作品を作り続けたいなって。人を楽しませることが好き、楽しませたいという気持ちはずっとあるんですけど、そういう気持ちを忘れずにずっと続けていきたくて。そのためにはいろんな作品に出て、たくさんの人の目に触れていかないといけないなと、思いました。これからは父や祖母が観られるような作品にももっと出られるようになりたいです。
写真/猪原悠