同じ大学の研究生からハグ。そしてキスをされて…
ひと息ついたところで、私は早速、本題に入ることにした。そう、シェリーさんの恋愛についてである。研究ばかりしているとはいえ、清潔で好感を持たれやすい容姿をしているシェリーさんをオーストラリアの男子大学生たちが放っておくわけがない。アプローチは、きっとあったはずだ。私がそれを言うと、
「全然全然、全然。誰も来ない」
シェリーさんは3回「全然」と繰り返して、軽く笑い飛ばした。本当に、これまで何にもなかったのだろうか。たとえばキスは? と尋ねると、
「ちゃんとしたのもあります。オーストラリアで、5年くらい前」
おもしろい日本語が返ってきた。ここからの話になると、急にシェリーさんの口数が減って、話す言葉の長さも短くなった。勉強のことは聞かなくてもよどみなく話していたのに、恋愛のことになると、急に一問一答に変わっていた。
その男性は同じ大学の研究生で、これまでも「友達の範囲内」として皆と一緒に話をしたり、彼の家に遊びに行ったりもした。その日も、いつものように友達として、その彼の家へ遊びに行った。日本では男性の家へ行ったら、何かあっても「OK」と解釈されやすいが、どうやら感覚が違うらしい。
その日、突然、彼がシェリーさんをハグし、キスをしてきた。そのキスは、次の段階に進む気配の感じられるキスだった。
2へつづく
#2 「性的欲求なんかもないですしね」。恋愛よりも勉強の方が楽しいと言い切る35歳・大人処女のリアルな欲望
#3 【35歳・大人処女】大好きな木村拓哉がアプローチしてきたとしてもNo! 「まずは友達としてご飯」「顔いいね、くらい。景色と一緒。そんなもん」
文/家田荘子