冷房はつけっぱなしでOK! パジャマをしっかり着込む

今どきの夏バテ防止対策は、何よりも睡眠不足を解消するようにしましょう。
就寝時も気温は高いままなので、寝苦しくならないように冷房はつけたままにして、そのかわり、薄着にならず、パジャマを着用し、布団をかけて寝ること。
薄着だと、体が冷えて夏風邪の原因になるので、気をつけてください。
パジャマはできれば長袖、長ズボンで。汗を吸収しやすい綿、麻、シルクなど天然素材のものがおすすめです。

また、夏はシャワーで済ませてしまう人が多いと思いますが、できれば湯船に浸かってください。38℃くらいのぬるめのお湯に10分くらい浸かることで、副交感神経が優位に働き、自律神経のバランスが調整されます。

寝る前は明かりを暗めにして、自然な眠りに誘うメラトニンの分泌を促すようにして、快眠に繋げるようにしましょう。

体の冷やしすぎにも注意が必要です。
1日中冷房の効いた部屋で過ごす人は、体を冷やしすぎないようにしましょう。すぐに羽織れるカーディガンを常備したり、お腹周りが冷えないように、腹巻を着用したりするなど工夫しましょう。

食事面では、夏バテ防止といえば、鰻や肉類が挙げられます。
糖質を体内でエネルギーに変え、疲労回復効果のあるビタミンB1が多く含まれているからです。
ただ、内臓が弱っているときは肉類は胃腸に負担がかかり、逆に不調を招くことがあります。

私が夏バテ防止でおすすめしているのは味噌汁です。
大豆を原料している味噌にはたんぱく質、ビタミンB2、など豊富な栄養素が含まれていて、汗で不足してしまった塩分やミネラルも摂ることができます。
ある100㎞マラソン大会のブースにも味噌汁が用意されていることがあるほど、疲労回復におすすめの食品です。
1日中オフィスで冷房の部屋にいる人なら、ランチに味噌汁を加えることで、体が温まり自律神経のバランスが調整しやすくなります。

その他、甘酒もおすすめです。
甘酒には、ブドウ糖、ビタミンB群、必須アミノ酸などが含まれていて、疲労回復に効果が期待できます。甘酒も味噌と同様に発酵食品なので体を温めてくれます。

また、麵類を食べるときはネギ、ショウガ、山芋など、体を温めてくれる食材をプラスすることで、冷え防止に繋がります。
さらに夏野菜のトマトは、夏バテ防止によいとされているGABAを含みます。食べすぎると体は冷えるので、焼いて食べるなど調理に工夫してみましょう。

眠れない、疲れがとれない、冷房冷えがとれない……令和の夏バテの症状と対策とは?_3
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夏バテによって疲労が溜まると、免疫機能が下がり夏風邪の原因にもなります。
バランスよい食事と睡眠をしっかりとって、令和の夏バテを予防しましょう。



取材・文/百田なつき