時代に合わせた漫画ではなく、時代をアップデートする漫画を
——話は尽きませんが、最後の質問です。「懐かしさ」を共通のテーマとするおふたりの目に、令和というこの時代はどのように映っていますか?
サンカクヘッド それは平成と令和の違いは何なんだろう? という問いでもありますよね。実はそれは僕が『平成少年ダン』を描きながら、毎回考えていることで。個人的には、一応の結論は出ているんです。けれどその答えは、やっぱり作品を通じて示したくて。令和から平成に戻ったダン君が、何を感じてどこへ向かうのか。今後にぜひご期待ください、という感じでいかがでしょうか。
大熊 担当編集者としましては、ありがとうございます。です(笑)。
眉月 私は正直、令和についてはあまりいい印象がなくて。正直、何も語りたくないです。それでも強いて言うなら、ジェンダー感についてはどんどんアップデートしていこうと意識しています。男性同士でも女性同士でも、あるいはそれ以外の組み合わせだとしても、その関係性を特別なものとしてではなく、もう当たり前にそこにあるものとしてシレっと描きたい。それは時代に合わせて描いているということではなく、今そういう漫画が必要だと思って描いています。令和がどんな時代になるかはわかりませんが、自分たちがこうあって欲しいなと願うことを、それぞれがやっていくしかないと思うんですよね。きっとダン君も、そうしてくれると信じています。
<サンカクヘッド先生と眉月じゅん先生の週刊ヤングジャンプ連載中の漫画はこちら!>
この対談を前編から読む場合はこちら
©サンカクヘッド/集英社
©眉月じゅん/集英社
取材・文・撮影 福地敦