お客さんがもらす「日本人でよかった」がおにぎりの醍醐味

――おにぎりの具材にオリジナルメニューを加えたり、とん汁にこだわるなど、ぼんごとの違いも見られます。あえて差別化を?

千恵さん ぼんごさんからはどんどん離れないといけないとも思っています。修行させてもらっただけなのに姉妹店と思われることもあるので、大切なことはしっかり継承させていただきます。
ただ、山太郎ってぼんごの味と違うけど、これもいいじゃんって思わせたい。“ぼんごに行けないから山太郎に来る”ではなく、あくまで“山太郎に行きたい”という人を増やしたいです。

開店初日で2時間待ち! 大人気おにぎり専門店を営む夫婦の経営哲学。「お客さんがもらす“日本人でよかった”がおにぎりの醍醐味」。目標は「最後の晩餐で食べたいごはん」_8

潤さん 実際、ぼんごさんの常連さんもうちによく来てくれていて、なかには山太郎をとても気に入ってリピートしてくれる人います。ひとつのハードルを超えられたようでうれしいですね。

千恵さん もっとメニューも増やしたい。いつも余っていた卵の白身でシフォンケーキを作ったらどうですかってスタッフから提案されたので、それも考えています。

――最後におふたりにお聞きします。あなたにとっておにぎりとは?

千恵さん 最後の晩餐に食べたいご飯、これに尽きます。その思いがきっかけでお店を始めましたから。
誰もがお母さんに握ってもらった思い出や、それにまつわるエピソードがありますよね。それもおにぎりの魅力です。

潤さん 店に立つと毎日聞くのが『日本人でよかった』という言葉です。
おにぎりには普段感じさせない感情を引き出す可能性があります。おにぎりの魅力はまだまだいっぱいあるはずです。ぜひ専門店で食べていただきたいですね。

開店初日で2時間待ち! 大人気おにぎり専門店を営む夫婦の経営哲学。「お客さんがもらす“日本人でよかった”がおにぎりの醍醐味」。目標は「最後の晩餐で食べたいごはん」_9
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集英社オンライン編集部ニュース班

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