“多摩川の黒曜石”をはじめ、手持ちの石をどんどん調べていく悦び

アプリを入手して最初に試したのは、何ヶ月か前に多摩川のほとりで発見し、「これは!」と思って持ち帰っていた小さな石だった。
スキャンしてみると、ちゃんと『黒曜石』と出た。

やっぱり!
君は黒曜石だと思っていたよ!

社会科の授業でもおなじみの黒曜石
社会科の授業でもおなじみの黒曜石

黒曜石という火山岩は、ガラス様の特質を持っているため割ると鋭い断面ができやすく、石器時代には様々な道具を作る材料として用いられていた。
だけど産地が限定的であり、火山のある島嶼部以外の東京に、自然な形では存在しないはずなのに、なんで多摩川の河原に転がっていたんだろう?

日本では後期旧石器時代以降、交易が盛んになり、黒曜石も全国各地で幅広く流通していたと言われるから、もしかしたら僕が見つけた“多摩川の黒曜石”も、大昔に人の手で持ち込まれたものが、ものすごく壮大なドラマの果て、そこに転がっていたのかも……などと考えてしまう。

“多摩川の黒曜石”
“多摩川の黒曜石”

やっぱり石はロマンだ。

このアプリをスマホにインストールして以来、パワーストーン屋やサイエンスショップで購入し、家の棚に飾っていたきれいな石から、河原で拾ってきた何の変哲もない小汚い石まで、色々と調べてみた。

ルビーインフックサイト、蘭硝石、クォーツァイト、玄武岩、ブレシエイテッドジャスパー、砂岩、白水晶、石灰岩、赤壁玉、結晶片岩、方解石……。
すべての石の素性がわかった。
ありふれたものから少し希少なものまで、色々ある。
ああ、本当に楽しい。

河原で拾った石も、いろいろな種類があることがわかった。
「雑草」という名の植物がないのと同じで、「普通の石ころ」にもみんなちゃんと名前があるんだなあ、などと当たり前のことを今さらしみじみと思ったりして。

やっぱり石はロマンだ…石の種類や素性を判別できるスマホアプリ「Rock Identifier」があれば河原で半日過ごせそう_6