日本初の女性白バイ隊員が、警察小説の書き手に

黒川 松嶋さんは元警察官やったそうですね。退職して警察小説を書こうとする、その動機は何なのかが気になりますね。

松嶋 警察官を辞めてなったというよりは、ずっと前から小説が好きだったんです。読むのはもちろん、自分で書くようになっていろんな小説賞に応募していました。

黒川 警察よりも小説のほうが先やったんですね。警察官やった頃も小説書いてたんですか。

松嶋 さすがに現役時代はなかなか書けなかったですね。仕事がしんどくて。でも、その前、高校生の頃はミステリーのようなものを書いていました。

「警察の隠蔽体質にリアリティーがある」警察小説の大家と元女性白バイ隊員作家が語る“警察小説のリアルとフィクション” 黒川博行×松嶋智左_1
黒川博行氏。1949年愛媛県今治市生まれ。83年『二度のお別れ』が第1回サントリーミステリー大賞佳作に選ばれ、翌年同作で小説家デビュー。86年『キャッツアイころがった』で第4回サントリーミステリー大賞、96年「カウント・プラン」で第49回日本推理作家協会賞を受賞。2014年『破門』で第151回直木賞を受賞
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黒川 警察にいたのは何年ぐらい?

松嶋 六年半ぐらいです。

黒川 白バイに乗ってらっしゃったんでしょう。

松嶋 最後の二年ほどだけですけど。そのうち半分の一年くらいはずっと訓練訓練で。後の半分は、広報関係の仕事ばかりでした。初めての女性白バイ隊員ということで、イベントで演技走行をしたりとか。二十代半ばで警察を辞めて、その後、勤めた仕事が弁護士事務所で、割と時間が自由になる仕事でしたのでまた書き始めました。