命を守る、ライフジャケットは必ず装備を
川には流れがあるので身体に水平方向の圧力がかかり移動をさせられる。川底の様相や水量等により、鉛直方向に引っ張られる流れが発生している場合もあり、浮いていること自体が困難なフィールドだ。
だが、ライフジャケットを正しく着用することで、常に頭部が水の上に出て呼吸を確保でき、流れのある川でも浮いていられ、命を守ることができる。
ライフジャケットはホームセンターやアウトドアショップ、ネットなどでも購入できるがいくつか注意点がある。
「ライフジャケットには大きく分けて、固定式と膨張式があります。膨張式は落水時に膨らむタイプのため、常時水に入る活動には固定式が向いています。
固定式のライフジャケットは、アウトドアショップやネットでも購入することができます。ただし、中には浮力・構造・強度等の問題から川での活動には向いていないものもあります。
浮力や強度など、川遊び用として推奨できる『安全基準』に関する認証制度の認定を受けた製品を選ぶのも一つの目安となります」(菅原さん)
またサイズ選びも重要なポイントだ。
サイズが合っていないと、着用していても脱げてしまったり、ライフジャケットの浮力を体に正しく伝達できなかったりするので、体の大きさや年齢に合ったものを購入しよう。
子どもだけでなく、大人ももちろんライフジャケットは必要だ。
「例えば、子どもを川で遊ばせる際、同行者が上流側にいると、流れの速さにより、いざというときに救助が間に合わないことがあります。あわてて飛び込んで救助しようとした人が被害にあう二次災害につながることにも。
子どもには必ずライフジャケットを着用させ、大人もライフジャケットを着用した上で、子どもが流されることも想定し、子どもよりも下流側にいることが大事です」(菅原さん)
また、川の水は思っている以上に冷たく、川に転落した場合は、低体温症にも注意が必要だ。
水の熱伝導率は、空気に比べると20倍以上。人間にとって、熱を奪われ続けることは命に関わる事態を引き起こしてしまうことに。
活動時には水に濡れても乾きやすい服装や、ウェットスーツを着用するなど、体温低下をできるだけ予防することが重要だ。
その他、足を守り脱げにくい運動靴やサンダル、頭部を守るヘルメットなどの装備も重要。指導者の場合は万が一に備えて、漂流する人を陸上等から救助するためのスローロープ(水に浮くロープ)なども装備しよう。