【漫画】『タワマンに住んで後悔してる』飲み会から帰ってこない夫、意思なく任せられる子育て、後輩に譲らされる海外出張…バリキャリに見える妻の内実_1
登場人物
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#1 初めての東京 はこちらから
#2 九州とは違うの はこちらから
#4 女子会 はこちらから

ままならない日々を生きる登場人物は
他でもないわたしたちだ

コミックエッセイとセミフィクションの新レーベル、「シリーズ 立ち行かないわたしたち」(KADOKAWA)。

思いもよらない出来事を経験したり困難に直面したりと、ままならない日々を生きる人物の姿を、他人事ではなく「わたしたちの物語」として想像できるような作品たちが特徴で、これまでに『わたしが誰だかわかりましたか』、『母親を陰謀論で失った』、『娘がいじめをしていました』などが刊行されている。

シリーズの最新作でもある『タワマンに住んで後悔してる』は、九州から念願の東京転勤が叶い、憧れだったタワマン(低層階)の部屋を購入した渕上(ふちがみ)家が、同じタワマンの中層階や高層階の住人たちと繰り広げる人間模様をリアルに描いた注目作だ。

本記事では、中層階に住む滝本家の視点で展開するエピソードを紹介。低層階に住む主人公・渕上舞からは、バリバリ働く滝本香織の生き方やイケメン広告マンの旦那、塾の成績が良い息子など、羨望の眼差しで見られているが…。

原作者である窓際三等兵氏は、外山薫(母の子であるという設定)名義での小説、『息が詰まるようなこの場所で』(KADOKAWA)でも、タワマンに住む背景が異なる家族たちの物語を描いている。本作の製作に至った経緯を担当編集者に聞いた。

――漫画だと、よりダイレクトにマウンティングの生々しさや生活の様子が伝わってきます。本作の企画に至った経緯を教えてください。

小説『息が詰まるようなこの場所で』も弊社の刊行物なのですが、私は編集を担当しておりません。私が窓際三等兵さんに漫画原作(本作)のオファーをさせていただいたときには、すでに次の小説を書き進められている段階だったのですが、小説とはまた違ったアプローチである点に興味をもっていただき、引き受けていただけることになりました。

「タワマン」を題材にした漫画を作ろうと思ったのは、窓際三等兵さんのツイートを拝見し、タワマンという格差やママ友トラブル、マウンティングといったものを想起させるアイコンがフックでありつつも、物語の中にはそこに住む人間たちの悩みや葛藤、等身大の家族の姿が見えたことが大きいです。

次のページから、主人公から見たら完璧に見える家庭の様子、滝本家の内情が描かれた9~12話を無料で配信する。