“鉄砲玉”への褒賞を禁止

カラダを張って抗争相手を攻撃する“鉄砲玉”――。組のために尽くすこの行動も、出所後に報われることが今やなくなった。
特定抗争指定暴力団六代目山口組と神戸山口組の抗争をめぐり、兵庫、岡山、佐賀の公安委員会が6月27日までに、六代目山口組司忍組長らに対して「賞揚等禁止命令」を出したのだ。

賞揚等禁止命令は、出所祝いや功労金、慰労金など名目のいかんを問わず、金品などの報償を組員に与えることを禁じる命令だ。財産上の利益だけでなく、地位を昇格することも禁止令に含まれている。

兵庫県公安委員会と岡山県公安委員会は、六代目山口組司忍組長と傘下の暴力団組長ら4人に対し、佐賀県公安委員会は、六代目山口組司忍組長と傘下の暴力団組長ら3人に対し、この命令を出した。
兵庫県では司忍組長に対してこの禁止令を出すのは昨年5月に続き2度目。佐賀県では2008年、九州誠道会、現浪川会の組長に対して出されて以来2例目となる。

※写真はイメージです(shutterstockより)
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出所祝いを禁止されたのは、事件を起こして服役中の六代目山口組傘下組織の組員らだ。それぞれ銃刀法違反や建造物損壊の罪で実刑判決を受けている。
兵庫県公安委員会が対象としたのは、2020年12月に倉敷市で神戸山口組系の組事務所に発砲して服役中の組員と、2022年8月に福岡県福津市の神戸山口組系の組事務所に車で突っ込み、服役している組員の2人。

佐賀県公安委員会も福津市の事件で実刑判決を受けて服役中の組員2人、岡山県公安員会は2021年5月に倉敷市の神戸山口組系組長宅に発砲して服役中の組員と、2022年5月、岡山市の池田組関連施設に車で突っ込み建造物損壊の罪で服役している組員を対象にした。