学者や官僚たちは誤っている
なぜ学者や官僚たちは誤った指導をするのでしょう。答えは簡単です。彼らはアメリカに対して「右に倣(なら)え」をしているだけなのです。
アメリカと日本では死因が大きく異なります。にもかかわらず、死因のトップが虚血性心疾患というアメリカの医学常識を、そのまま日本の施策としているのです。
学者や官僚と違い、現場を知っている医師からは、高齢者がダイエットをする危険性について警鐘を鳴らす声が上がっています。たとえば東京都医師会はホームページで、「『メタボ対策』からフレイル予防へ」というタイトルのもとに、こう訴えています。
「日本人に適した健康法」がある
「高齢期のBMI(体重と身長の関係から人の肥満度を示す自分の体格の指標)は、中年期以前とは異なり、少し高めの方が、栄養状態や総死亡率の統計からみてもちょうど良いことが分かってきました。『メタボ対策』から、しっかり食べて栄養状態を保つ『フレイル予防』に考え直してみましょう」
70代になったら、栄養の不足のほうに気をつけて、摂りすぎについては過敏になる必要はありません。
単に栄養価の問題だけではありません。食べたいものを食べることで、ストレスが軽減されます。幸せホルモンが分泌されます。つまり免疫機能が上がるのです。病気のために食事制限をせざるをえない場合は別として、少なくとも70代になったら、ダイエットなどしてはいけません。