リタイアしたらランチは積極的に外食を
いまの高齢者が現役時代、ほとんどの人はランチを職場周辺の店でとっていたことでしょう。とくに男性はそうだと思います。
事務職でも営業職でも、昼休みが近づくと「今日は何を食べようか」と考えます。40年かそれ以上の年月、たいていの人は「お昼に何を食べるか」という問題に毎日、向き合ってきたのです。
ところが仕事をリタイアすると、ランチは自宅で食べるようになります。「外食は出かけなくちゃいけないからおっくうだ」「仕事をしていないのにランチにお金をかけたくない」「お昼はありあわせのもので十分」といったさまざまな理由からですが、私はむしろ、リタイアしたらランチは積極的に外食をしたほうがいいと思っています。
なぜなら、外に出る習慣が身につくからです。
ランチを外食にするだけで、日常生活の行動半径はずいぶん広がる
「さあ、今日は何を食べるかな」と考えながらとにかく家を出れば、歩いているうちにいろいろな店が目につきます。
「この店のラーメンもしばらく食べていないな」「ここの豚カツは意外とおいしいんだよ」「たまにはパスタもいいな」などと考えながら商店街を歩くのは楽しいものです。運動としてもちょうどいいし、歩けばお腹も空きますから、ランチもよりおいしくいただけます。
また日中、街中を歩いてみると、じつにいろいろな発見があります。夜はネオン街になるような一画も、昼に歩いてみるとけっこう面白いものです。怪しげな酒場が並んでいる通りの中に、「こんな店があったのか」と驚くことがよくあります。
ランチを外食にするだけで、日常生活の行動半径はずいぶん広がります。
街歩きのついでに書店で読みたい雑誌を買ったり、おいしいコーヒー店を探してみたりするのもいいでしょう。