半世紀のツケを返す道のりは長い
在校等時間の概念により、勤務時間管理が始まったとはいえ、依然として学校内の勤務時間は長く、持ち帰り仕事も多い。休憩時間中も仕事に追われる。その一方で、積み重なった長時間労働の時間数は、必ずしも正確には申告されない。
こうした現況を受けて、民間企業の管理職の中には、「こんなことは、ありえない。なぜ、こうなってしまうのか」と、心から不思議そうな表情を浮かべる人もいる。時間管理の意識があまりにもゆるい学校を見れば、そう感じるのも当然だろう。
ただ、よくよく考えてみれば、少なくとも半世紀にわたって、学校では時間意識もコスト意識も欠落したままに、日常の勤務が続いてきた。民間企業とは、働き方の意識とその蓄積が、決定的に異なっている。それをふまえると、むしろこれからようやくスタートなのだろう。半世紀のツケを返す道のりは長い。
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