ヤフオクで購入したタバコの自販機を改良
きっかけは、他愛もない雑談だった。
先述の「揚げもみじ」は、本店の券売機で購入するシステムになっている。以前、竹内さんはその機械メーカーの担当者から「もみじ饅頭を自販機で売ったらどうですか?」と半ば冗談で言われたことがあった。その場はそれで終わったが、竹内さんは「いや、これは面白いかも」と思い直し、すぐさまネットオークションの「ヤフオク!」で旧式のタバコの自販機を1万円程度で落札。それを改良してもみじ饅頭をセットできるようにした。
「当社のもみじ饅頭1個入りの箱と、昔のタバコ箱のサイズが似ていて、もしかしたらいけるんじゃないかと。ボロボロの自販機を買ったけど、ちゃんと動いたので、それが初号機になりました」
19年2月、宮島の本店と、馴染みのあった「宮島シーサイドホテル」のロビーに設置。客の反応は上々だった。
「すぐ横でも饅頭を売ってるから、別に自販機で買わなくてもいいのですが、やっぱり皆、試してみたいんですよ(笑)。それと自販機のボタンを押すと、取り出し口から商品がニュルっと出てくる動作が面白くて、お客さんは喜んでいましたね」
もみじ饅頭の自販機を突然始めたことに、同業者からは「お前、また妙なことやっとるの」と呆れられたが、竹内さんはどこ吹く風だった。