「仕事」「家庭」「健康」のすべてに変化が起こりがち、人生の折り返し地点40代。
「40代で胃がんになった」「50代で脳梗塞で倒れた」「50代でうつになり休職を余儀なくされた」という人たちは、私のインタビュー協力者にもいましたし、同級生の中にも乳がんや肺がん、脳梗塞を経験した人たちがいます。40歳を過ぎると、予期せぬ病に襲われるリスクは確実に高まるので、健康管理は常日頃から気をつけていただきたいです。
51歳で亡くなったジャーナリストの竹田圭吾さんは、その半年前、自らががん患者であることを告白し、「なんとか抑えながら生活の質を維持していくのが、〝がん〟なんだってことを、検診を受けているときから何となくイメージしておくといい」と、Twitterでメッセージしました。
生活の質には、当然「仕事」も含まれます。
「職業は人生の背骨である」という名言を残したのはニーチェですが、「働く」という行為には、「潜在的影響(latent consequences)」と呼ばれる、経済的利点以外のものが存在します。
潜在的影響は、自律性、能力発揮の機会、自由裁量、他人との接触、他人を敬う気持ち、身体及び精神的活動、1日の時間配分、生活の安定などで、この潜在的影響こそが心を元気にし、人に生きる力を与えるリソースです。
人は「仕事」「家庭」「健康」という三つの幸せのボールをもっています。ついつい私たちは「仕事」のボールばかりを高く上げがちですが、「健康」のボールを落としたら幸せにはなりません。人生の折り返し地点では、仕事も、家庭も、健康も、落としそうになる変化が起こりがちです。
大切なのは三つのボールをジャグリングのように回し続けること。回し方は人それぞれです。そこに正解も優劣もありません。「あなた」のやり方で回せるように、とことん悩み、具体的に動いてください。