誰も教えてくれない「年をとる」意味
それでも、どんな状況になろうとも「自分の人生をしっかり生きる」と自分に言い聞かせるのをやめてはいけません。私も親の変化に翻弄され続けているひとりなので、何度も何度も「自分の人生をしっかり生きなきゃダメ」という言葉を言い続けています。
親の老いはどうやっても止められません。しかし、自分自身の振る舞いはコントロールできます。案外、日本の高齢者福祉は充実しているので、それを最大限に使い、周りの力を借りることが肝心です。
例えば、社会的支援には、医療保険を利用するものと、介護保険を利用するものがあり、さまざまな使い方ができます(併用はできませんが)。地方自治体の高齢福祉課に相談すると、ものすごく親切にしてくれますし、知人やご近所さんも介護問題には手を貸してくれたりもします。
超高齢社会のいい点は、誰もが例外なく老いた親の問題を抱えているってこと。若い人たちも祖父母の介護をしている親を見ているので、SOSを出せば快く助けてくれます。私自身、さまざまなシーンで見知らぬ若者や同年代の人たちに助けてもらいました。それに、親は最後まで子に何かを教えようとするのですよね。老いるとは何か。人が最後まで手放したくないものは何か。誰も教えてくれない「年をとる」意味をさまざまな形で教えてくれます。
介護問題は冷たい雨が自分の頭上に落ちてこない限り、その大変さはわかりません。
なので、そのときが来たら、今ここに書いたことを読み返してください。
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