堂安律という生き様と、夢への決意を伝えたい
――今年3月には初著書『俺しかいない』を発売。どのような思いが込められているのでしょうか?
堂安 堂安律という生き様と、これからも夢に向かって突き進み続ける俺の決意を伝えたくて、この本を出しました。そもそも成功者としてではなく、挑戦者として出す本なので、ここに成功体験は書かれていません。
正直、ファンやサポーターが見てくれているものと、自分が感じている現実にはギャップがあります。小さいころからエリートだったとか、なんの壁にもぶつからずにW杯で活躍したとか思われがちですけど、たくさん葛藤して悩み抜いてきたし、決して順風満帆の人生ではなかったです。
俺は生まれながらの天才なんかじゃないし、常に、誰かしら上の存在がいる環境に身を置いてきました。人一倍、悩むことが多いし、表には出さないけど、不安でビビることもある。心のなかではいつも弱い自分と葛藤しています。
でも、下を向いたことは、ただの一度もありません。どんな逆境でも、野心と反骨心を燃えたぎらせ、夢のために、自分を誰よりも信じて生きてきました。
堂安律というひとりの人間がどうやって人生を歩んできたのか――。
この本を読んでもらった人には、ありのままの俺を知ってもらいたいし、「堂安ってこんな人間なんだ」「そんなことを考えていたんだ」と感じてもらえたらうれしいです。すでに夢を見つけた人も、まだ夢を探している途中の人も、今を本気で生きている人ならば、きっと共感してもらえると信じています。
――最後に、日本代表を応援するサッカーファンに向けて、メッセージをお願いします。
堂安 日本国民全員が認める絶対的で圧倒的な日本代表の中心に、俺はなります。
次のW杯で新しい景色を見るためなら、どれだけつらくてもいいと思える覚悟ができましたから。日本代表に対する期待も、俺に対する期待も今まで以上に大きくなっているのは感じるけど、それが重圧にはなっていません。
国民のみなさんにはプレッシャーをかけ続けてほしいです。これまで以上に注目してもらいたいし、ダメなときには遠慮なく、批判してほしい。それも全部、自分の力にして、ここからさらにもうワンランク、ツーランク上の選手になってみせます。
日本代表がまだ見たことのない景色を見せたい。だから、俺についてきてほしいです。
撮影/HIRO KIMURA
スタイリング/松下洋介
ヘア&メイク/吉村健