85%の人は、フェイクニュースに簡単にだまされる
同じように、スマホによって求める情報が手に入ったり、スマホゲームに夢中になったり、SNSで発信したことに多くの人からの反応が得られたりすると、脳内にはやはりドーパミンが分泌されますし、毎日、膨大な量の刺激的な情報が入ってくるため、人はスマホやSNSを使えば使うほど、どんどん依存度を高めていきます。
ところが、スマホにどっぷりと依存するようになっても、ギャンブルやアルコール、薬物などへの依存に比べて、お金を浪費したり、他人に迷惑をかけたり、罪に問われたりすることはほとんどありません。
むしろ、「新しいガジェットを使いこなしている」「情報に敏感」などと評価されることも多く、自分でもなかなか、依存症に陥っていると気づくことはできないでしょう。
そして、知らぬ間に24時間の多くをスマホやSNSに費やし、やるべきことをやるための時間や集中力を奪われてしまうのです。
また、SNSやブログ、ネットニュースなどによって発信される刺激的な情報の中には、誤った情報もたくさん混じっています。
もちろん、新聞やテレビなどの既存メディアも誤情報を流すことはありましたが、ネットやSNSの普及により、第三者のチェックを受けることなく、真実とは異なる情報を世界中に広めることが誰にでも可能となりました。
しかも「錯覚的真実効果」(illusory truth effect)により、そうした誤情報を鵜呑のみにしてしまう人は少なくありません。
錯覚的真実効果とは、「正しい情報であれ正しくない情報であれ、何度も繰り返されるものを見ると、それがより真実のように思えてくる」というものであり、キングストン大学のヘンダーソンらの研究により、85%もの人に、この効果が見られることがわかっています。
つまり、8割以上の人は、たとえフェイクニュースであっても、繰り返し見せられると、それを真実だと思い込んでしまうのです。