「足りない」と思うからイライラし、怒り、
自分は不幸だと思う
人は、何かが足りないと感じた時に不幸を感じる。腹が減った、給料が少ない、他人の評価が低い......などなど、「足りない」と思うからイライラし、怒り、自分は不幸だと思おうとする。
しかし、そうした思考の癖は、常に、恋愛相手がいない、結婚相手がいない、子どもがいない......。そういった自分にない物ばかりに目を向けてしまい、たとえ何かを手に入れても、手に入れた充足感より、「まだこれが足りない」という欠乏しか認識できなくなる。
いわば、永遠の餓鬼と化してしまうのだ。
そもそも、本当に結婚したらしあわせになるのか?
それぞれの年代において、幸福や不幸を感じる割合に、2020年国勢調査による未婚人口を掛け合わせれば、計算上の未既者の年代別の幸福人口と不幸人口が算出できる。
未婚男性の「幸福人口」は20代から年代を重ねるごとに順調に減少しているのに対し、「不幸人口」は20代から50代までそれほど大きな変化はない。これが何を意味するかというと、「幸福な未婚」だけが未婚でなくなっていっているということ。
結婚していく未婚男性は、元から幸福だった者
つまり、結婚していく未婚男性は、元から幸福だった者が多いということだ。
未婚より既婚の方が幸福度が高いのは事実だ。しかし、それは「結婚したから幸福度が上がった」のではなく「幸福度の高い未婚が結婚していく」という因果があると見た方が、納得性は高い。
身も蓋もないいい方をすれば、「結婚したらしあわせになれる」と思っている人は、結婚もできないし、しあわせにもなれないのだろう。
欠乏の心理に支配されて、「あれが足りない、これが足りない」という不幸思考に陥っている人は、まず、現在の自分の「足るを知る」ことが先なのだ。そして、それは、たとえ結婚しようがしまいが、自分の人生をしあわせに生きていく上で大切なことでもある。
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