「午前6時45分頃。釣りに来ていた通行人から『赤ちゃんの死体があった。燃やされている』といった旨の通報がありました。乳児は生後まもない女の子で、司法解剖をしましたが、死因は不祥。まだ身元の特定もできておらず、あらゆる可能性を考慮して捜査しています。
司法解剖の結果、死産であった可能性は低く、生まれてから数日ではないかとのことです。遺体は顔や体の一部が燃やされていて、さらにその一部が炭化していた。海岸に落ちていた流木を使って、燃やされたとみられている」(捜査関係者)
現場はJR沼津駅から南西に約1.6キロの千本浜公園の付近。釣り人には人気の“ポイント”だったという。
「この海岸は、船を出さなくても沖の魚が釣れるもんだから、いい釣り場なんだよ。土日は地元の人間だけでなく遠くから来る人もいる。事件があった日も多少、人はいたよ。朝だから海岸沿いには30メートルおきくらいには人がいて、朝マズメ狙いで釣りをしていた。自分は現場よりももっと奥で釣りをしてたんだけど、警察が騒がしくしていたのが見えたから近寄っていったら、警官が10人くらいいて、ただごとじゃないと感じた。まさか赤ん坊が焼かれていたとは…」(近隣住民)
遺体の発見時、現場からは煙があがり、火はくすぶった状態だったという。地元の釣り人が証言する
「釣り人が冬場とか寒い時に、流木やらを小さく燃やして暖をとることを“野焼き”って言うんですけど、そもそもこの海岸は火を使うことが禁止されているんです。なかには夜中にこっそりと小さな火で野焼きする人も少なからずいますけどね。
でも事件のあった27日はそんなに寒くなかったし、火も野焼きにしては大きい火だったので違和感はありました。白い煙も少しファーっと上がっていて、遠くから見てですけど、野焼きの残り火でボヤにでもなったのかなと思ったんです」
28日早朝、静岡県警は遺体の発見時刻前後に現場の海岸周辺で検問や、通行人に不審な人物を見なかったか聞き込みを行った。
「警察からは『早朝4時頃にこのあたりを通りませんでしたか?』『このあたりで怪しい車、見慣れない車は見ましたか?』『この近隣に妊娠してた、もしくは最近出産した可能性のある女性はいませんか?』とか細かくいろいろと聞かれました。ドラレコの提出を求められた人もいます」(別の近隣住人)
現場周辺には防犯カメラは確認できなかった。だが、近隣に住む60代男性が証言する。
「この千本浜海岸の防波堤はお年寄りが年中よく歩いてる散歩コースなんですよ。早朝でも歩いてる人はたまにいます。それに土日は釣り人がとても多いですね、20代から70代までさまざまな人が来ますから、目撃者は必ずいると思います。あと、この海岸から一番近くの駐車場って朝6時から夜9時までしか開放されてないんです。だから夜中とか早朝は、離れた所にある別の駐車場に停めるしかないんですが、その道を知ってるのは地元の人くらい。このあたりの立地にも詳しくないと難しい犯行じゃないかなと思いますよ」
県警は乳児の身元や母親の特定を進めている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班