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SDGsとぼちぼち付き合う感覚

私は静岡県立大学では、地元の高校生と一緒にいろいろなことを学ぶ「高大連携プログラム」にも関わっています。そして、これも当然の流れとして、いまはSDGsがテーマとして選ばれやすい。

高校側としては、世の中で注目されているテーマを掲げたほうが多くの生徒を集められますし、予算も取りやすいという事情もあるでしょう。プラゴミを分別収集すると国からの補助金が出るのと、ちょっと似ています。

しかし、大学生でも心配なのですから、もっと純粋な高校生となると、さらに慎重にやらなければいけません。それこそプラスチックのリサイクルひとつ取っても、単純なキレイゴトの向こう側には複雑な「大人の事情」があります。若い正義感にブレーキをかけすぎてはいけませんが、アクセル全開になるのも危ない。

私は静岡県立大学では、地元の高校生と一緒にいろいろなことを学ぶ「高大連携プログラム」にも関わっています。そして、これも当然の流れとして、いまはSDGsがテーマとして選ばれやすい。  高校側としては、世の中で注目されているテーマを掲げたほうが多くの生徒を集められますし、予算も取りやすいという事情もあるでしょう。プラゴミを分別収集すると国からの補助金が出るのと、ちょっと似ています。  しかし、大学生でも心配なのですから、もっと純粋な高校生となると、さらに慎重にやらなければいけません。それこそプラスチックのリサイクルひとつ取っても、単純なキレイゴトの向こう側には複雑な「大人の事情」があります。若い正義感にブレーキをかけすぎてはいけませんが、アクセル全開になるのも危ない。_1
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SDGsと「ぼちぼち」つき合っていく感覚を高校生に伝えるのは簡単ではありませんが、少なくとも、そういうプログラムを設定する大人の側がそれなりの分別(こちらはブンベツではなくフンベツ)を持っておくべきだろうと思います。

ただ、少し意外だったのは、SDGsをテーマとする高大連携プログラムで、環境問題を選ぶ高校生があまり多くなかったこと。

世間では、SDGsといえば地球温暖化や海洋プラスチックの問題を思い浮かべる人が大半ですが、このプログラムではジェンダーや人権、貧困などの問題を選ぶ人がほとんどでした。扱う範囲の広い環境問題より、それらの社会問題のほうが、高校生にとっては身近に感じられるのかもしれません。