日本語対応のAI画像生成サービスも充実。
スキル0でも使いこなせる時代に

しかし、ここでややハードルに感じるのが、AI文章生成サービスのChatGPTも、AI画像生成サービスのStable Diffusionも、英語対応だということ。

「中身はStable Diffusionだけど、日本語での条件(プロンプト)入力に対応しているサービスもありますよ。例えば、LINEのトーク画面で使用できる『AIイラストくん』はとても簡単。友達追加をして、トーク画面でイラスト、人物、風景の中からジャンルを選び、条件を日本語で指示するだけ。数秒で画像が生成されます」

実際にAIイラストくんで生成された画像を見せてもらった。

「例えば、『食事をしている女の子』と『食事をしている美女』では、意味は同じでも、生成される画像が異なります。前者は『女の子』というワードをAIが『若さ』として認識するので、未成年にも見える比較的若い女性の画像になり、後者は成人女性の画像が生成されます。また、AIは常に学習し続けているので、同じ条件を入力しても、同じ画像が生成されることはありません。同じ人物風の顔で複数枚画像を生成したい場合は、条件を固定する方法もありますが、これはできるサービスが限られています」

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「食事をしている女の子」という条件で生成された画像
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こちらは「食事をしている美女」という条件。現在、AIイラストくんは招待制で使用可能
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専門知識がなくても、誰でも簡単にAI画像の生成ができる。あとはこれらの無料ツールで生成した画像を集め、写真集としてKindleで販売すればいいだけ。AI写真集の出版は、限りなくハードルが下がっているようだ。

「ちなみに、AI文章生成のクオリティも日々、進化しています。例えば『仮想通貨で稼ぐ方法』というテーマで文章を書かせると、10個ほどの章立てを自動で作ってくれて、約1万~2万字の執筆が数分で完了します。特にAIは事実に基づいた客観的な文章を生成するのは得意なので、整合性も持ち合わせた内容となっています。

逆にお悩み相談などの人の心情に寄り添うことや、事実から一歩進んだ『より専門的な内容』などはまだまだ苦手。そういった部分は人間のチェックが必要です。とは言え、AI出版はもはや誰でも簡単にできる作業になっています。だからこそ、使う側のモラルが大切で、法整備が整っていないからといって、何をしてもいいわけではありません。AIはあくまで生活を豊かにする技術として、正しく使ってほしいと願っています」

誰でもAIで出版できる時代に、どう使うかは自分しだいだ。

取材・文/菱山恵巳子