かつて雑誌はコンビニの「主力商品」であった
ある大手流通関係者は今後の「雑誌コーナー」について、次のように予測する。「スマホで得られるネットニュースの方が情報は速く、深く、バラエティに富んでいる。紙の雑誌の役割が終わりつつあるのは間違いない。実際、雑誌コーナーは年々縮小を続けている。当然、コンビニチェーンは『廃止すべき』という議論を毎度のようにしている。ただ、一気になくなるのかというとそうではないだろう。
象徴的なのが、アダルト向けの成人誌、成人コミック誌だ。これだけオンラインで同等の情報が得られる時代でも、細々と存続している。しかも『関連買い・ついで買い』と呼ばれるものが見込める。たとえ雑誌自体の売り上げは1%しかなくても、成人誌やコミック誌を買う人は、飲み物やお惣菜、たばこなどの『ついで買い』が見込める。
高齢者がメイン顧客であるコンビニにとって、雑誌コーナーでの立ち読みは一つの習慣になっている可能性が高い。また、地方では書店がどんどんなくなっており、本が置いてあるのはコンビニだけという実態もある」
かつて雑誌はコンビニの「主力商品」であった。集客力もあった。だが、スマホの時代に突入し、雑誌は低迷している。休刊やネットへの転換が相次ぐ。販売の大半をコンビニに頼っている大手週刊誌にとって、コンビニの雑誌コーナーが減っているという現状は悪夢としかいいようがない。週刊誌は減り続ける売り場に対して、どこまで耐えることができるのだろうか。