ネトウヨたちの「とても都合のいい」アメリカ観

しかし戦後一貫してアメリカは日本の軍事的復活を警戒しており、この傾向はバブル期に日本経済が世界を席巻すると益々鮮明になった。むしろ在日米軍の存在は日本封じ込めの一環としてとらえられていた。これを在日米軍が日本再軍備の重しになるとして、「瓶のふた論」と呼ぶ。瓶とは日本による軍事大国化の野望で、ふたは在日米軍である。

アメリカは現在でも真珠湾攻撃の屈辱を忘れては居らず、そして過去と比べて減りつつあるがアメリカ世論の約6割は二発の原爆投下を「戦争を早く終わらせるために必要だった」とする肯定論を支持している。戦前、戦中、敗戦直後のアメリカと今のアメリカは違う、などという勝手な解釈は、「無思慮型」の人々が現実を都合よく解釈し、自分たちの意見にアメリカも賛同しているのだ、と思い込みたい願望から生まれた屁理屈にすぎない。

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そしてこのような屁理屈があるから、靖国神社を総理が訪問しても、昔のアメリカと今のアメリカは違うから―という願望を引っ張ってきて、ややもすれば「アメリカも賛成してくれている」などとするが、大きな間違いであった。第二次安倍政権が誕生して翌年の2013年、安倍首相(当時)が靖国を参拝した。「保守派」は大いに溜飲を下げたが、アメリカから異例の「クレーム」が来た。

翌年3月6日、ケネディ駐日大使は「地域情勢を難しくするような行動は建設的ではない」と安倍首相の行動を牽制し、当時のオバマ大統領は「失望」を表明した。極東国際軍事裁判でA級戦犯となり絞首刑になった人々が祀られている靖国参拝に現役総理大臣が参拝するのは直接的に「第二次世界大戦後の国際秩序」を否定するものだから、アメリカが異例の対日批判を行うことは当たり前である。安倍首相は在任期間中、これ以後一度も靖国を参拝しなかった。