原因はアルコールだけじゃない!?
お酒を飲まなくても脂肪肝になる!
酒の飲み過ぎだけが脂肪肝の原因ではありません。先に述べたように、脂肪肝にはアルコールの飲み過ぎでなる場合と、お酒を飲まなくても糖質のとり過ぎでなる場合の2通りがあります。
糖質のとり過ぎでなる脂肪肝を「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」といい、日本人に多いのがこのタイプ。肝臓は糖質を必要な栄養素に変換する機能がありますが、糖質をとり過ぎると余分な糖が中性脂肪として蓄積され脂肪肝となります。
また、非アルコール性脂肪性肝疾患には、症状が軽くて改善しやすい「単純性脂肪肝(NAFL)」と、重症化しやすい「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」の2つがあります。非アルコール性脂肪肝炎は放置すると肝硬変、肝臓がんに進行する深刻なもので、糖質のとり過ぎでなる脂肪肝の1〜2割がこれに相当するといわれています。
もちろん、アルコールの飲み過ぎからなる脂肪肝もあります。個人差はありますが、目安として、毎日3合以上の日本酒を5年以上飲んでいる人は、アルコール性脂肪肝を発症する可能性が高まるといわれています。長期的な大量の飲酒は、肝臓の働きに異常を生じさせ、中性脂肪をため込んでしまうのです。このアルコール性脂肪肝も、比較的治りやすい軽症タイプと、「アルコール性脂肪肝炎(ASH)」という重症タイプがあり、後者は放置すると命に関わる危険性があります。