動画メインのコンテンツスタイルの
VTuberの厳しい現実……

高橋氏は、ミライアカリのような黎明期から活躍していたVTuberには特徴があり、そうした特徴を持つVTuberは、今後少々厳しい現実に直面するかもしれないと教えてくれた。

「黎明期に活動を始めた多くのVTuberに共通するのは、動画コンテンツを主体としていたことです。これは、顔出しで活躍しているYouTuberが作ってきたコンテンツスタイルを踏襲したという側面もあったのでしょう。

そして、こうした動画メインのコンテンツスタイルは、今後収入面で厳しい状況になってくるかもしれません。というのも、Googleを傘下に持つAlphabetという企業が発表した、2022年の7月から9月までの『2022年第3四半期決算』では、YouTubeの広告収入は前年同月比で1.9%も減少しているからです。
その理由は広告主の減少や、ショート動画配信アプリのTikTokに一部視聴者が流れてしまったなどさまざまですが、こうした現状を見ると、動画コンテンツスタイルのVTuberは今後厳しくなっていく可能性が強いです」

「毎回台本があった」「私は人形だった」VTuberの始祖・キズナアイの無期限休止、レジェンド・ミライアカリの引退…閉じコン化したVtube業界は、ファンが作ってファンが殺してしまうのか_3

では、生配信スタイルの企業勢の収入面では、大きな心配はないのだろうか。

「配信前や途中に動画コンテンツと同じく広告を挟むことで収益を得ることはできますが、生配信における収益のメインは、視聴者から寄せられる有料チャットであるスーパーチャット、通称“スパチャ”です。
生配信スタイルの企業勢は、長時間配信を通して視聴者と絆を深めているので、移ろいやすい視聴者層とは異なる熱心なファンがつきやすく、そう簡単に収益が落ち込むことはないでしょう」