「Twitterにドンのファンが結構いるよ」
という娘の一言がきっかけ
――連載再開に先駆けて、昨年10月に発売された「グランドジャンプ」21号(集英社)で、読み切りの「世田谷イチ古い洋館に来た静かなるドン」を描かれました。
漫画家の山下和美さんが保存活動をしていた洋館(旧尾崎邸)の話で14ページの読み切りを描いたんだよね。そのときは新作を描こうとまでは思わなかったけど、それの反響がけっこうあってね。14ページでこんなに喜んでくれるなら、やってみようかなと思ったんです。
――反響はどこでチェックしているんですか?
俺はデジタルはまったくわからないんだけど、娘が「Twitterにドンのファンが結構いるよ」と教えてくれて。それが1年ぐらい前かな。若い人が読んでくれていたり、こういう風に読んでくれてるんだってことがわかってきて、その意見の中に『静かなるドン』の最終回を「意外と寂しい終わり方なんだ」といっている人がいた。
だいたいヤクザものなんて、そうやって寂しく終わるもんで、その後は読者の想像に任せますよって感じだったんだけど、秋野と静也の行方をもう少し知りたいという人がいるみたいなんで、だったら『静かなるドン もうひとつの最終章』という形で描こうかなと思いつきました。
――新作の構想はだいたい固まっているんですか?
細かい部分はこれからだけど、とりあえずパラレルワールドみたいな形で、もう一つのお話として描こうと思っています。
『トップガン マーヴェリック』がめちゃくちゃ面白くて、映画館で3回くらい観て、円盤も買ったんですよ。どうせアメリカの軍事産業の宣伝みたいなもんだろうと思ったけど、それを抜きにしても人間ドラマとしてよくできてる。ああいった単純に面白いものが描きたいなと。難しいことはあまり描きたくないので、陰謀論はもうやめました(笑)。