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12年ぶりの新作が単なる同窓会にならなかった理由

――昨年の新作『THE3名様~リモートだけじゃ無理じゃね?~』は隆太さんにとっても12年ぶりに「ジャンボ」を演じる機会となりました。俳優として同じ役を演じる上でのブランクは意識しましたか?

佐藤隆太(以下、佐藤) この作品に関しては心配していなかったですね。もともと僕ら(メインキャストの佐藤隆太、岡田義徳、塚本高史)は、いい意味でゆるいスタンスで演じていました。実はシリーズの一番最初と今では、ジャンボのキャラクターってすごく変わっているんです。最初はめちゃくちゃ強いっていう設定があったりして。

石原まこちん(以下、石原) そうそう。

佐藤 ジャンボは原作の「ふとし」とは違う実写版オリジナルのキャラクターだから、ある意味一番自由にできるんですよね。でも、演じていくうちに、やっぱりふとし的雰囲気で演じたほうがいいと感じて。監督の福田雄一さんに相談したんですよ。「とはいえ、もう撮っちゃっていますから今さら変えられないですよね」と言ったら、「全然いいよ」って(笑)。そこから思いっきりキャラクターを変えています。

【漫画あり(4〜6話)】「先生は『THE3名様』で話が面白くなりすぎたらボツにするって本当ですか?」「“記憶に残らない”がこの作品の魅力ですから」《石原まこちん×佐藤隆太(後編)》_1
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――そもそもガチガチに設定があるキャラクターではないってことですね。

佐藤 話を戻すと『THE3名様』って、一人でキャラクターを作り上げていくような作品じゃないんです。あのファミレスのあの席にあのメンバーで座ると、一瞬で昔の関係性に戻れる。あの2人がジャンボっていうキャラクターを思い出させてくれるんです。

このシリーズは毎回とにかくすごいスピードで撮影していて。2日でDVD1本分を撮るペースです。セリフの読み合わせも現場のセッティングの合間にしていました。そのくらいじゃないと、撮影のスピード感に追いつけなかったんですよ。

そういう感じで撮っていたから、今回は久しぶりでしたけど、現場で一緒になった途端にどんどんキャラクターが出来上がっていくんです。3人の空気感で作っていく作品なので、ブランクを感じずにできましたね。

それに役者として表現するチカラも、お互いに成長しているなって感じられたんですよね。もしかしたら見ていても気付かないような細かいところで、実はいろんなことをやっています。

演技のうまさを追求するような作品ではないですが(笑)、単なる昔の再現になってしまったら僕らも納得できなかった。以前よりもブラッシュアップできたから、ただの同窓会にならなかったのだと思います。