父親から紡がれたスニーカーへの愛
――スニーカーに目覚めたきっかけは?
その話にはいくつか段階があるんですけど、実は僕も記憶がないくらい幼い時に初めて出会っていて。
僕の世代は、幼稚園の頃に戦隊ヒーローもののマジックテープの靴をみんなが履いていて、僕もそれが履きたかったんです。
ただ、もう亡くなっているんですけど、アメリカ人の父親が「こんなのを履くんじゃない!」と取り上げて、小さい白のエアフォース1を僕に履かせたそうなんです。でも僕はそれがすごく嫌で、めちゃくちゃ泣いたらしいんですよ。
その後、小学校高学年になって、友達のお兄ちゃんがビーボーイで、中学生でエアフォース1を履いていて、「いいね〜」みたいな会話をしていて。
「え? アレってあの時の! こんなにカッコいいスニーカーだったんだ!」となって、それからエアフォース1を履くようになりました。
――自分のお金で最初に買ったスニーカーがそのエアフォース1ですか?
最初は、中学1年生の時に買ったエアフォース1のバレンタインモデルですね。
池袋のABCマートに、お年玉を握り締めて買いに行って。でも僕の中学校がけっこうヤンチャな地域で、買ってから3日でパクられました。
――「エアマックス狩り」もありましたし、時代を感じますね(笑)。
犯人の目星はついていて、おそらく中3の先輩。26センチを履きこなせるのはアイツしかいない。でも、2コ上なんで言えなかったですね。
パクられたのがずっと悔しくて、2年前に復刻で発売された時に即買いしました(笑)。