父親から紡がれたスニーカーへの愛

「購入費総額は1000万円超え」「僕にとっての“おめかし”」転売ヤーへの思いや、盗られてしまった初めての1足…アントニーの深すぎるスニーカー愛_8

――スニーカーに目覚めたきっかけは?

その話にはいくつか段階があるんですけど、実は僕も記憶がないくらい幼い時に初めて出会っていて。

僕の世代は、幼稚園の頃に戦隊ヒーローもののマジックテープの靴をみんなが履いていて、僕もそれが履きたかったんです。

ただ、もう亡くなっているんですけど、アメリカ人の父親が「こんなのを履くんじゃない!」と取り上げて、小さい白のエアフォース1を僕に履かせたそうなんです。でも僕はそれがすごく嫌で、めちゃくちゃ泣いたらしいんですよ。

その後、小学校高学年になって、友達のお兄ちゃんがビーボーイで、中学生でエアフォース1を履いていて、「いいね〜」みたいな会話をしていて。

「え? アレってあの時の! こんなにカッコいいスニーカーだったんだ!」となって、それからエアフォース1を履くようになりました。

――自分のお金で最初に買ったスニーカーがそのエアフォース1ですか?

最初は、中学1年生の時に買ったエアフォース1のバレンタインモデルですね。

池袋のABCマートに、お年玉を握り締めて買いに行って。でも僕の中学校がけっこうヤンチャな地域で、買ってから3日でパクられました。

――「エアマックス狩り」もありましたし、時代を感じますね(笑)。

犯人の目星はついていて、おそらく中3の先輩。26センチを履きこなせるのはアイツしかいない。でも、2コ上なんで言えなかったですね。

パクられたのがずっと悔しくて、2年前に復刻で発売された時に即買いしました(笑)。